新千円札のでこぼこ

ちょっと新千円札を観察してみた。
裏側(富士山の絵のあるほう)に斜めに傾けて見ると 「NIPPON」と浮き上がる部分がある。
触ってみるとわかるが、この部分はでこぼこしている。
このでこぼこのおかげで線に濃淡ができ、文字が浮き上がる仕組みであるようだ。

これはなかなか面白い。
紙自体の厚みに変化を加えてあるので偽造はしにくいだろう。
斜めから見ることで文字が浮き上がるという視覚的な真偽の判断の効果もある。
また、でこぼこが触覚にも訴えかける。

でこぼこしているのはこの部分だけでなく、
表側(野口さんの絵のあるほう)の野口さんや1000という数字の部分もでこぼこしている。
こっちはおそらく、特殊なインクででこぼこをつけてあるのだろう。
これらのでこぼこはちょっと触るだけでもわかるほどである。

一般の人間が偽札に気づくためには、 触覚は重要なファクターであるという。
普段お札を使用するときに、 本物かどうかをまじまじと見る人はなかなかいないだろう。
そこで頼りになるのが、「さわった感触」である。
さわって、「あれ?」と思ったとき、よく見たら違うとわかるという仕掛けである。
前にお札のデザインがちょこっとだけ変わったときTVで見たのだが、
作り手は、紙の質感まで気にして作っているらしい。
お札に和紙を使用しているのはそのためでもあるという。 (丈夫さも和紙を使う理由のひとつ)
目立たない部分までよく考えている。

そこで、触ってわかる偽造防止を考えてみた。
  • ざらさらしている、つるつるしている
  • 一部硬い、一部重い(金属繊維なんかを織り込むとか)
  • 微妙に暖かい、微妙に冷たい(熱伝導率の関係で)
  • 人肌で丸まる(形状記憶樹脂とか)
  • 折り目がつかない(選挙の投票用紙みたいなの)
  • 複雑な折り目(缶チューハイ氷結の缶みたいな感じに)
  • ぬるぬる、べたべた、しっとり、かりかり、粉っぽい、ぶるぶる、びりびり
最後のはほとんどネタですが。
造幣関係者の方、見ていたらご検討ください。
ってそんな人の目に触れることは百に一つもないでしょうけど。